みなさんこんにちは!
全世界には10億人のYouTubeユーザーがいると言われていますが、一方で日本のYouTubeユーザーは約5000万人。
日本で最も登録者を集めるチャンネルは現在300万人弱ですが、世界には、その上を行くトップチャンネルがゴロゴロしています!
では彼らは日々どのような動画を配信しているのでしょうか?
今日は、チャンネル登録者1000万人、動画再生数は25億回を超える世界的超人気チャンネルでありながら、「自分では一切撮影しない」チャンネル『FailArmy』についてご紹介します。
総再生数25億回!超お化けチャンネルはどのようにして作られているのか?
まずはこちらの動画をご覧ください!
https://youtu.be/WImgnGXwpjU
これが『FailArmy』の基本スタイル。
サッカーの練習中に局部にボールが当たってしまったり、素振りの練習をしていて隣の人の頭にバットが直撃してしまったりといった、いわゆる「ハプニング動画」を寄せ集め、一本の動画にしています!
微笑ましいものから
ヒヤっとするものまで、思わず見入ってしまいます!
これらを撮影したのは、もちろんすべて一般人。そう、『FailArmy』はSNS上に散らばるこういったビデオを入手し、まとめて自分のチャンネルに投稿することで、世界中から絶大な人気を集めているのです。
さしずめ、ネット動画版の「世界仰天ニュース」と言えるでしょうか。
もっとも、テレビと違って、余計な前置きや説明を省くことで短時間にまとめることでモバイル端末などでも見やすいよう、ネットに最適化されています。
↓FailArmyの紹介動画
https://www.youtube.com/watch?v=4E7PUs711Ig&ebc=ANyPxKrr3PpXhbdVyrY9hFvVpZTnR64yHeGoREHKPPvp_SUbVykpt4AFogCAbt12of4zSwrHpmCddhxautVvGXTfXr46b5tBiA
立ちはだかる著作権問題
当然、このスタイルの最も大きな障害が著作権です。
違法ダウンロードとアップロード は全世界の深刻な問題で、当然『FailArmy』も元ネタ動画1つ1つに権利処理をしています。
では、その手法はどのようなものなのでしょうか?
当然、元ネタ動画の権利所有者に、一件一件転載の許可を取っていくことになるのですが、その際に料金を支払っています。
しかも、その形態は2種類!
①動画の権利を完全に放棄する代わりに一括で見込み収入の一部を受け取る
②権利の一部を所有し続けて継続的に広告収入の一部を受け取る
①は従来の権利買取の方式ですが、②は完全にYouTubeの広告収入を前提とした方法です。
昨今の日本では、一時的にSNSで話題になった動画に対し、バイラルメディアが転載依頼を申し出て(ほとんどはおそらく無料で権利のやりとりもなく)転載するという事例がチラホラありますが、アメリカでは既に体系的にそれを遂行するビジネスモデルが成功しています。
権利を完全に譲渡した場合は、だいたい一括で$50~$数1,000もの支払いを受けているとか!
↓トレーニングやウェイトリフティング中のハプニング動画を集めた映像!背筋がヒヤっとします!
https://www.youtube.com/watch?v=T74Xek-pDLM
果たしてそれでビジネスとして成立するのか!?
でも、果たしてそれでビジネスとして収益が上がるのでしょうか?
『FailArmy』が権利を獲得したこれらの動画はYouTube広告収入により、平均して$1,000の利益を得ていると言われています。しかし、おそらく、これでは良くてもトントンか赤字になってしまうでしょう。
『FailArmy』のビジネスの真骨頂は、こうして権利を得た動画を、Buzzfeedといった巨大ネットメディアや FOXTVといったテレビチャンネルに販売していることです。
つまり、「面白ホームビデオ仲介業者 」として収益を上げています。
日本のワイドショーでも度々この手の面白ホームビデオは紹介されますが、当然1つ1つスタッフがSNS経由で連絡するしかなく、返信がないことも多いので、莫大な手間がかかります。また、その動画の権利処理をしようとすると、相手が一般人だけにさらに手間がかかり、またトラブルに発展するリスクも抱えることになります。
しかし、『FailArmy』がその面倒な業務に特化したスペシャリストとして代行することで、既に権利処理されたものをカタログ化してテレビ局に提示することができます。テレビ局も安全な面白ホームビデオを手軽に購入することができます。
また、ホームビデオを提供する一般人も、 『FailArmy』が管理することで、その動画が違法に扱われるリスクを防ぐことができ、面倒な契約や権利の話も一任できるので、双方にメリットのあるシステムになっているのです。
↓ガールズ特集など、様々なジャンルのハプニング動画をまとめる「FailArmy」
https://www.youtube.com/watch?v=Ms1tsY1ykgo
このようなネット動画に完全対応した形で成功を収めた『FailArmy』ですが、現在は80人体制で毎週150本の動画ライセンスの取得しているといいます。この150本の動画の裏で、何万本もの動画を視聴し、クオリティを精査する作業が行われていると思うと、決して楽な業務ではないとも思えますが(笑)、しかし、ある意味自社で動画を作るよりも手堅い動画ビジネスと言えるかもしれません。
日本でもこのスタイルが浸透する日が近いうちに来るかもしれませんね!
参考文献
https://www.youtube.com/user/JukinVideoDotCom
http://www.wired.com/2015/08/jukin-media/
https://digiday.com/publishers/jukin-media-building-empire-peoples-viral-videos/
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